【レースレポ】KOUMI100②
たくさんの応援の方に見送られ2周目へ。
最初は周回コースなんてタルい、つまんない、修行だと思っていたけど、応援してくれる人も多いし、スライド区間も多いし。サポートもついてくれているから、思っていたよりは悪くない。
ゲートを通過してみんなに見送られると、またここに戻ってくるぞと気合が入る。
雨は止むどころか強くなってるけど、急遽買ったファイントラックのレインが優秀でしっかり水を弾いている。
ただ路面コンディションはどんどん悪化していく。
水溜まりが沼のようになり、グチョグチョ度合いも増し、上りも下りもズルズル。
1周目はくるぶしくらいだった水溜まりが、2周目突っ込んだら膝下くらいまであったのはビビった。
噂では顔面からだいぶした人もいたらしい。
どうせシューズも靴下もグチャグチャだからどうにでもなれって感じなんだけど、冷たいと分かっていて脚を突っ込まないといけないのがツライ。
ロードはゆっくりを意識して、キロ6分半くらい。
下りの林道もロードも飛ばさないように気をつけたはずなんだけど、徐々に大腿四頭筋が張ってきている。
ここが張ると自分は走れなくなるので、なんとか使わないように意識して下るんだけど、ズルズルの斜面でどうしても筋肉に頼ってしまう。
山パートが終わって住宅街に出ると、大腿四頭筋の消耗度が激しいことに気づく。
この状態であと3周、、、。
ちょっとマズイなと思いながらも、2回目のエイドに到着。
タイムは6時間4分。
2周目はペース落とそうと思って走ったけど、思ったより落ちていない。
この大腿四頭筋であと3周。
距離にしたら105km。
全く走れる気がしない。
やんわり2周でリタイアしていいか、はるか様にお伺いを立てるがあっさり却下。
というより全く相手にされなかった(笑)。
そりゃそうだ。タイムだけ見たら順調そのもの。
次の3周目を7時間で帰ってこれば、次の関門まで9時間のアドバンテージが出来るんだから止める理由がない。
戯言はいいから、早く雑炊と補給食を食べろと。
仰る通りだ。
エイドでの滞留時間は人生の滞留時間。
誰かがツイッターで言っていたな。
この後は冷えるから一度全部着替えるようにと、雑炊食べている間に靴と靴下を脱がせ、脚拭いて、靴下履かせてくれとひと通りのことを全部やってくれる。
ここまでやってもらって、やめる訳にはいかない。自然とやる気が出てくる。
手厚いサポートのおかげで、エイドを出る頃にはモチベーションも復活。
0時までに帰って来られれば完走が見える。
3周目の目標は7時間。
2周目より1時間余裕があるからさすがに行けるだろうと思っていた。
が山パートに入ると思った以上にペースが上がらない。
3周目の疲労感に加え、夜間パートになったことで全然スピードが出ない。
スピードが出ないと眠気が襲ってくる。
ニュウへの登りに入るとさらにスピードダウン。
脚が上がらないから、一気に登れない。
そうなると強烈な睡魔が襲ってくる。
睡魔に勝てず登山道の横で仮眠。
寝ると張っている大腿四頭筋が硬まる。
動けない→眠くなる→硬くなる→動けない。
負のループ。
2周目よりさらに路面コンディションが悪化した山岳パート。
さっきは膝下だった水溜りが股下くらいまでになってる。
なにこれ。意味わかんないだけど。
下りもさらにズルっズル!
大腿四頭筋終わってるから、踏ん張れば転びまくる。
山岳パートを抜けるころには、脚もメンタルもボロボロ。
ロードもまったく走れずオール歩き。
しかも周りに人がいなくて、単独走の時間が長い。
人が現れても自分は歩きだから、あっさり抜かれてすぐ見えなくなってしまう。
自分の遅さに嫌気がさしてくる。
こうなるともう4周目なんて考えていられない。
はるかさんには申し訳ないけど、絶対3周でやめる。
もう無理。
頭の中はネガティブな感情でいっぱい。
なんて言ってやめようかな。
そんなことばかり考えて、トボトボとスタート地点に帰ってくる。
3周目は9時間15分。
予定より2時間以上遅くなってしまった。
エイドに戻るとはるかさんやタローさんがいて、ボロボロだったメンタルは多少回復して元気は出てくる。
それでも肝心の脚が、もう動きそうにない。
もう止めてもいいよねって聞いたけど、とりあえずご飯食べなさいと言われうどんを食べる。
内臓もやられてないし、低体温にもなってないし、元気は元気なんだよな。
でもどう考えてもあと1回、いや後2回ニュウを登れる気がしない。
それにあのトボトボ歩いた道を、また行って帰ってくるのかと思うともう限界。
もう止めたいと駄々をこねるが、もしかしたら復活するかもしれないとみんなに言われなんとかゲートを通り4周目へ。
しかしキロ15分でしか歩けない。
平地のロードがキロ15分ってどんなだよ。
エイドで一旦は復活したメンタルも、遅すぎる自分の走りでどんどんネガティブになる。
住宅街のロードでギブアップ。
来た道をトボトボと帰り、俺のKOUMIは終わった。
もう歩かなくていいっていうホッとした気持ちと、ペーサーを走らせてあげられなかったという申し訳ない気持ち、実力不足ってのは明らかだったから悔しさってのはあまりなかったかな。
次で終わり。
では、では。